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「はて、変わった化石だな」
考古学者の星さんは、炎天下で地層の発掘中、不思議なものを見つけた。
小さな葉っぱの化石だが、妙な事に、見つめていると心が安らぎ、楽しくなる。
首を傾げていると、後ろで声がした。
「それは“気持ちの化石”です」
ふり返り、星さんは目を丸くした。地層の崖に映った自分の影から、声がする。
「なぜ私の影がしゃべる?」思わず聞いた星さん。そいつは「僕は、影の中にいる“カゲロウ”という存在だよ」と答えた。
それは続ける。「君たち人間は、体が物質で出来ていて、色んな“思い”を生み出します。僕たちは“思い”が集まって出来ている」
「思い?」
「そう。思いが僕たちの体で、そこから心の結晶を生むんです」
その影は、星さんの手元を指さした。
「その化石は、僕の生んだ“心の結晶”です。大事にしてね。それじゃ」
あたりは静かになった。
星さんは小さな化石を、じっと見つめていた。
考古学者の星さんは、炎天下で地層の発掘中、不思議なものを見つけた。
小さな葉っぱの化石だが、妙な事に、見つめていると心が安らぎ、楽しくなる。
首を傾げていると、後ろで声がした。
「それは“気持ちの化石”です」
ふり返り、星さんは目を丸くした。地層の崖に映った自分の影から、声がする。
「なぜ私の影がしゃべる?」思わず聞いた星さん。そいつは「僕は、影の中にいる“カゲロウ”という存在だよ」と答えた。
それは続ける。「君たち人間は、体が物質で出来ていて、色んな“思い”を生み出します。僕たちは“思い”が集まって出来ている」
「思い?」
「そう。思いが僕たちの体で、そこから心の結晶を生むんです」
その影は、星さんの手元を指さした。
「その化石は、僕の生んだ“心の結晶”です。大事にしてね。それじゃ」
あたりは静かになった。
星さんは小さな化石を、じっと見つめていた。
ファンタジー
公開:22/07/18 16:01
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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