サマーガール

「夏といえば海だよね！かき氷！スイカ！楽しみがいっぱいだなあー！！」
彼女は夏が好きだ。一番好きな季節なのだという。ワクワクが止まらないと語るその顔は、本当に夏が大好きなんだというのが伝わってくる。
「夏休みだし、いっぱい遊べるね！いっぱい遊ぼうね！」
そう語る彼女は、太陽のように輝いていた。外を走り回る。汗がキラキラと輝いている。
「今日は海行こうよ！」
また今日も彼女に引っ張り回されて海へと行く。水着姿の彼女に少しドキッとしながらも二人して泳いだ。沢山遊んだ。気がつけば夕方になっていた。
「そろそろ帰ろうか」
「明日は山行こうね！」
毎日がとても楽しい。夏は本当に楽しい。夏休みは君とずっと過ごしていた気がする。
この夏が最後。彼女は遠くへ引っ越してしまう。
「ねえ。だからね。夏が来たら私の事、思い出して欲しいんだ」
そう語るサマーガールの後ろ姿は、少し寂しそうだった。