一粒のキャラメル
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「いつか返してねぇ。」
これはおばあちゃんの口癖で、そう言っていつも僕にキャラメルを1粒だけ分けてくれる。
子供の頃は両親がお菓子を全く食べさせてくれなかった。だからその1粒を食べるのは至福の時間で僕はキャラメルもおばあちゃんも大好きであった。
そんなことを思い出しながら僕は墓石の前で手を合わせていた。そして一通り墓石を綺麗にした後、鞄から新品のキャラメルの箱を取り出した。中からキャラメルを一粒だけ出し、残りは箱の口を開けたままお供えする。
もう一度手を合わせた後、一粒残ったキャラメルを口の中に放る。
あの頃、おばあちゃんはキャラメルという幸せを僕に分けてくれた。だからおばあちゃんも幸せになれるようにもらった分の幸せを返してあげる。
口の中のキャラメルを転がす、それはあの頃と変わらない甘い至福の時間だった。
これはおばあちゃんの口癖で、そう言っていつも僕にキャラメルを1粒だけ分けてくれる。
子供の頃は両親がお菓子を全く食べさせてくれなかった。だからその1粒を食べるのは至福の時間で僕はキャラメルもおばあちゃんも大好きであった。
そんなことを思い出しながら僕は墓石の前で手を合わせていた。そして一通り墓石を綺麗にした後、鞄から新品のキャラメルの箱を取り出した。中からキャラメルを一粒だけ出し、残りは箱の口を開けたままお供えする。
もう一度手を合わせた後、一粒残ったキャラメルを口の中に放る。
あの頃、おばあちゃんはキャラメルという幸せを僕に分けてくれた。だからおばあちゃんも幸せになれるようにもらった分の幸せを返してあげる。
口の中のキャラメルを転がす、それはあの頃と変わらない甘い至福の時間だった。
その他
公開:22/07/19 15:21
超ショートショート書いていきます
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