ユーチューブ裁判

日本のあらゆる裁判が、ユーチューブで手軽に見れるようになった。国民の多くが、裁判を身近に感じて興味を持ってくれるようになった。
裁判官は今まではほとんど罷免の心配は無く、保身や出世にしか関心のない人が多かったが国民の意に沿わない判決を下した人には罷免の判断を下される人も出てきた。それではたまらんと、国民の意向を反映する判決を下す裁判官が増えてきた。
今までは隠蔽されてきた大企業や政治家のトップの不正も明らかにされてきた。裁判官はそれらの容疑者に正義の鉄槌を下し、刑務所に送り込んだ。国民はその様子を見て、拍手喝采し胸をなでおろした。
しかしそれは清濁併せ吞む度量の広い人が、トップに居なくなることを意味していた。後釜となったトップは人畜無害の低能な人ばかりで、日本はますます世界から取り残されていった。