待ちぼうけ2

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「この小さな公園からですか?」
「はい。いつからかどうやってかなどもう私は覚えていません。」
男は続ける。
「最初はどうにかしようと躍起になっていましたが、ただただ変わらぬ朝と夜を繰り返すばかり。だから私はなにかを待つことにしました。死んだ方が楽ではと考えたこともあります。しかし、私にはあのジャングルジムの頂上で頭から飛び降りるなんて小心者で出来ませんでした。」
男はジャングルジムの頂上を指差し、困ったように笑った。

私はたまに思い出す。この男と公園で話したことを。あの日はなんだか怖くなってしまって、愛想笑いを浮かべながら男に別れを告げた。そして公園が見えなくなった瞬間逃げるように自宅へ走り出した。
それから私はあの公園を避けるような道を使っている。
もし、次見たときあの男が待ち続けていたら。私は……。
SF
公開:22/07/13 21:18

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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