フライドチキン売り

「フライドチキンいりませんか？」
真っ赤な頭巾を被っている少女が大きな声で呼び掛けていた。右手には籠をかけ、左手にはフライドチキンを持っていた。
「あの、すいません。」
青年が少女へ声をかける。
「はい！」
少女は期待した目で青年を見つめていた。
「なんで市民プールでフライドチキンを売っているんですか？」
そう、季節は夏。真夏日と宣言された今日は特にプールが集まっていた。
「しかもこんな真夏日に厚着で。大丈夫ですか？」
少女の体調と頭を心配して声をかけたのだろう。青年の顔は心配そうであった。
「私は大丈夫なので、フライドチキンを買ってもらえませんか？」
商魂たくましい発言に青年はあきれ返った。
「なんでそんなブライトチキンを売りたいのですか？」
青年が尋ねると少女はニッコリ笑っていった。
「マッチより売れるからですよ！」
そう言った瞬間少女は倒れた。
熱中症だそうだ。みんなも気を付けよう。