アンチテーゼ

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ねえ、幽霊はいると思う?
そんな問いかけに対して私は、幽霊はいると答えた。なぜならば幽霊を見たと青い顔をして恐怖している人達が、とても嘘をついているようには見えないからだ。私に霊感はないけれど、幽霊を見たという人の話を聞いて信じられると思ったのだ。
「いる訳ないよ。幽霊なんて。そんなのは非科学的だ」
平山君は現実主義な人。そんな非科学的な霊の存在なんて信じないと真っ向から否定した。
「いるよ!!」
「いない!!」
私達の意見は対立した。
「あらあら。そんなに言い争わないで。私はどう思うのか聞いただけよ。考え方は人それぞれよ。こういうのなんていうのかしら。アンチテーゼ?」
しかしそんなアンチテーゼを否定する事態が起こった。平山君が幽霊を見たというのだ。
「もう。平山君。嘘はいいから」
「本当だ。幽霊はいる」
「そんなはっきり見える幽霊なんているわけないじゃない」

これもまたアンチテーゼだ。
公開:22/07/12 08:47

富本アキユ( 日本 )

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