瞬間乾燥

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雑貨店に並んでいたのは、福袋だった。何が入っているかは開けてみてのお楽しみ。確実にお得ですというフレーズだった。そんなフレーズに惹かれ、私は一つ五千円の福袋を買うのだった。早速家に帰ってドキドキしながら福袋を開けてみた。あえて袋の中を覗きこまず、中を見ないようにして取り出して楽しむのが私流だ。
「お、なんか硬いな。何だろう?」
出てきたのは、ドライヤーが入った箱だった。
「へえ。ドライヤーか。なかなか良い物入ってるじゃん」
説明書を見る。瞬間乾燥。と一言だけ書いてあるだけだった。
「なんじゃこりゃ。雑だな」
しかし入っていたのは、このドライヤ一だけだった。
「えっ?これだけ?ドライヤーが5000円?まあ……得したんだろうけどなんか微妙」
しかし驚いたのは、ここからだった。入っていたドライヤーを使うと、一秒で髪が渇いた。瞬間乾燥だった。
「凄い!!これはお得だ!!」
私は福袋で得をした。
公開:22/07/12 08:36

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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