国家奇密

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 東京都庁第一庁舎は、安全保障の観点から、有事の際には、「国家最終防衛線決戦兵器」として人型ロボットに変形し、首都の防衛の任に当たることを前提に建造され、1990年に完成した。
幸いなことに未だ誰一人、都庁が変形し、侵略者と戦う姿を見た者はいない。しかしながら、整備と訓練は定期的に実施されなければならないわけで、都民に知られることなく、国民に悟られることなく、極秘裏にそれは行なわれなければならない。税金泥棒などと叩かれては堪らない。
因みに私は、国家安全保障局に配属されている、しがない公務員だ。
幼い頃、ロボットアニメが大好きで、夢中でプラモデルを作っていた私が、国家の超極秘事項に携わることになるとは、よもや想像もしなかった。しかも、巨大人型変形ロボットとは!
さあ、
会議が始まる。

議題

「第384回、東京都庁第一庁舎の整備定期点検及び、可動変形試運転の実施、実現の可能性について」
SF
公開:22/07/11 22:10

都忘( 東北 )

沈思黙考

 

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