金の述べ棒

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懸賞で金の延べ棒を手に入れた私。毎日金相場を確認してはニヤニヤしている。
『君なぁ、毎日ワシの価値見るより自分の価値上げたらどや?ワシはほっといても価値上がるけど君はほっといたら価値下がる一方やで』
金の延べ棒が喋った!?
『ワシは”金の延べ棒”ならぬ”金の述べ棒”。君の価値を上げる為、毎日金言を囁いたるわ。ありがたく思いや』
大きなお世話だ。てか、金言と言うのなら黙ってくれないだろうか?沈黙は金。雄弁は銀。喋る事で金は価値を下げる。
『成程…そりゃ一理あるわ。じゃ、黙っといたる』
静かになった金の述べ棒を私は早速売りに出した。
鑑定士は金を見て、厳しい目を私に向ける。そして相場よりかなり安い金額を提示してきた。
「金の述べ棒は喋る事に価値があります。喋らないのであれば金と同じ…銅としての価値しかありません。それにお客様、金の述べ棒に余計な事を吹き込んだでしょう?不純物が混じっていますよ」
公開:22/07/11 20:50

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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