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僕にいつもついてくる。君はどうして僕にずっとついてくるの?
振り払っても振り払っても、どれだけ速く走っても君はぴったりくっついてくる。
僕の形をした僕じゃないもの。
それが君だ。

君は全身真っ黒で、太陽の光が出ている時じゃないと現れない。どうして君は、僕なの?どうして君は、僕の真似をするの?

そう。それは君が僕の影だからだ。
僕にとって君は、いなくちゃいけない存在なんだ。

影がなければどうなるか知ってるかい?

人や動物は物体に反射した光を見ている。だから、そうなれば誰の目にも僕は見えなくなるだろう。
影がなくなれば、全てのものが見えない、暗黒の世界が生まれるのだ。

そうなんだね。君は僕を他の人に見せる為に僕にくっついているんだね。

ならば君は光だ。僕にとっての光だ。
僕は君の事を誤解していた。真似ばかりする鬱陶しい存在だと思っていたけど、そうじゃないんだね。

ありがとう。影。
公開:22/07/09 08:28

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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