爺ちゃんランチ

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「遅刻遅刻!」
「もっとゆっくり食べなさい!」
「母ちゃん御馳走さーん!」
僕は朝御飯を食べ家を飛び出すと、通学路を猛ダッシュした。武達にはすぐ追いつける筈だ。
「ラッキー青信号!」
「こら健ちゃん」
横断歩道を渡ろうとした時、食堂のおばちゃんに声を掛けられた。
「そんなに急がない!ゆっくり歩きなさい。あと、ちゃんとこれも…」

と、いう事をな、この道路沿いの食堂で昼飯を食べる度に思い出すんだよ。
さあ来たよ、食べようか。
え?そうか、やっぱり不思議だったか。
最初ヒロ坊と同じのを食べようと思った時にな「安全に道を通るように」って、食堂の人が考えてくれたんだよ、ハハハ。
爺ちゃんくらいになると余計に、食"道”と歩"道”という二つの道に気をつけなきゃいけないからね。どちらもゆっくりという事だ。

そうか。だからこのお店のお子様ランチには、国旗じゃなくて横断歩道の旗が刺さってるのか。
その他
公開:22/07/08 20:01
更新:22/07/09 14:41

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