『おやつ』シゲと僕

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ランドセルを玄関に放り投げて、親友のシゲの待つ公園の土管へ急いだ。

「よっシゲ」

「おっ、マキオ」

「何かさあ、小腹空かない?」

「うん!じゃノリコの家に行く?」

「ノリコの両親は歯医者で、隣が洋菓子店でさ、すげえ旨いケーキと濃いカルピスが飲める!でもさ…『おままごと』に参加しないと、おやつが出てこないだよ。夫婦をさせられたり、赤ん坊や女の子をしなきゃならないじゃん」

「じゃあ、マサトの家は?」

「マサトのママは、マサトが塾で居なくても、せっかく来たんだから上がりなさいって、手作りのパウンドケーキと上等の紅茶を入れてくれるんだよ。だけど…マサトのママってすげぇ美人でさ、俺の母ちゃんと同じ歳なんだぜ!がっかりして、落ち込んじゃうんだよ俺…」

「じゃあさ、シゲの婆ちゃんの蒸かし芋は?」

「うん…たまに食うと旨いし…婆ちゃん喜ぶし」

「決まり、行こ!」

僕とシゲは親友だ!
青春
公開:22/07/08 12:33
更新:22/07/19 09:54

杉本とらを( 東京 )

言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!

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