スカウト

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「ほぅ、私を雇いたいと申すか。」
ソファーで足を組みふんぞり返っている彼は我々を値踏みしているようだった。
「たしかに私は他じゃ見つけられない貴重な存在だ。私以外に見つけようと思っても最低でも30年はかかりますね。」
我々は相手の機嫌を損なわないようにヘコヘコとするしかなかった。
「私の力、水への知識、そしてこのネームバリュー。これさえあれば御社の業績もうなぎ登り、いや川登りでしょうねぇ。」
我々はこのチャンスを逃すまいと相手を褒め称え、必死にわが社の魅了を語った。そして、
「ふぅ。いいだろう。それではあなた達のところで働くとしよう。」
我々は緊張から解かれたと同時に顔を綻ばせ大いに喜んだ。
「では最後にお聞きしたいのですが、お給料として一月きゅうりは何本いただけるのかな?」

質問の解答に満足した河童は頭の皿をなで回し、にやけながら部屋をあとにした。
ファンタジー
公開:22/07/08 11:51

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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