バカにでもわかる

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「はぁ...。」
またダメだった。今度こそ改心の出来であったのに。私は肩を落とす。なんでも担当がいうのには私の作品はどれも難しすぎるのだそうだ。たしかに私の作品は難しいのかもしれない。しかし理解できる人間にはとても深く、何度も読み直してしまうような傑作であるはずなのだ。ただ、私が売れない作家であることには変わりない。作品を出さねば生活が出来ない。だから、
「バカに向けて書くか。」
私は意を決した。まず私は、バカには平仮名しか読めないであろうと字を平仮名にした。また難しい言葉回しを辞め、三才児でもわかる言葉のみを使用した。それでもバカには読めない可能性がある。念のために字よりも挿し絵が多くなるようにし、自動で読んでくれる音声昨日もつけた。バカはすぐ飽きるだろうと思い字に色もつけた。全て作業を終えた私は担当に作品を送りつけた。

「いやぁ、異例の大ヒットですよ!」
世の中はバカばっかりらしい。
公開:22/07/10 21:10
更新:22/07/10 23:49

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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