秘密

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
『小学生になったら教えてあげる』

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
『中学に上がったら教えてあげる』

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
『高校に受かったら教えてあげる』

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
『大学に合格したら教えてあげる』

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
『就職が決まったら教えてあげる』

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
『結婚してくれたら教えてあげる』

「何でいつも首にスカーフ巻いているの？」
彼は首に巻いたスカーフを外した。そこにあったのは紐で縛られたような黒い痣。
『この痣は生まれつきさ。虐待じゃない』
彼は痣を隠す為にスカーフを巻いていた。
「ごめんなさい…私、何も知らなくて」
『いいさ、それより僕からもいいかな？』
「なあに？」

『何でいつも大きなマスクしているの？』