ミスターマウス
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僕たちの教室に、新しい先生がやってきた。
「私はミスター・マウスです。よろしくお願いします」
どこかカタコトの日本語で、僕たちはマウス先生が次の英語の担当なんだろうなと思った。そして当然、先生はどんな言葉でも英語に訳してくれた。
知らない言語は僕たちにとって冒険だった。
マウス先生はどんな質問でも答えてくれる。空が青いことも。海が広いことも。
「先生はどうしてそんなに物知りなの?」
「私の頭の中には小さな小さなパソコンが入っているんですよ」
その言葉もどこかカタコトで、だからこそ「本当のことなんだろうな」と妙に納得もした。
その日の給食の時間、僕は本を読んでばかりの先生に一つだけ尋ねてみた。
「先生は、どうして給食を食べないの?」
すると先生は困ったように笑って「それは私も知りません」と、悲しそうに本を閉じた。
どんなことでも確かに答えてくれる先生が唯一知らないことだった。
「私はミスター・マウスです。よろしくお願いします」
どこかカタコトの日本語で、僕たちはマウス先生が次の英語の担当なんだろうなと思った。そして当然、先生はどんな言葉でも英語に訳してくれた。
知らない言語は僕たちにとって冒険だった。
マウス先生はどんな質問でも答えてくれる。空が青いことも。海が広いことも。
「先生はどうしてそんなに物知りなの?」
「私の頭の中には小さな小さなパソコンが入っているんですよ」
その言葉もどこかカタコトで、だからこそ「本当のことなんだろうな」と妙に納得もした。
その日の給食の時間、僕は本を読んでばかりの先生に一つだけ尋ねてみた。
「先生は、どうして給食を食べないの?」
すると先生は困ったように笑って「それは私も知りません」と、悲しそうに本を閉じた。
どんなことでも確かに答えてくれる先生が唯一知らないことだった。
SF
公開:22/07/09 14:43
らくがき作家
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