スタンプカード

0
2

昇降口で足を止める。空を見れば降っているのは雨ではなくスタンプだ。
ポツポツではなくポンポンと地面に”雨”の判を押していく空模様にため息が出る。ただでさえ傘を忘れたというのに…
こんな天気は初めてだ。だから田舎に引っ越すなんて嫌だった。
悪態をついていると「これ、使う?」とカードを差し出してくる女子。確かクラスメイトだったような…転校してきたばかりなのでよく覚えていない。
女子は降ってくるスタンプにカードを晒した。ポポポンとカードが雨一色に染まると女子の周りのスタンプは雨粒に変化していた。
「ここの天気は特殊でさ、このカードにスタンプが溜まると普通の雨に変わるの」
カードを受け取りスタンプに晒す。本当だ!普通の雨に変わった!
その様子にくすくすと笑う女子。
「ねえ、一緒に帰らない?君の事、もっと教えてくれない?」
半分差し出される傘にポッ!と頬が赤くなる。田舎の女子って距離感近すぎないか?
公開:22/07/05 21:10

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容