天の川

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昨年の冬おじいちゃんが死んだ。いつも会うと、色々楽しい話をしてくれたから私はとっても大好きだった。話は宇宙人に会ったとか、浦島太郎と親友だったとかなかなか嘘っぽかったが、いつも私の心を掴んで離さなかった。
葬式の時母から私宛の遺言状が渡された。内容は七夕の夜、倉の中を見てくれというものだった。
そして七夕の夜、おじいちゃんの遺言で倉へ向かった。なんだか奥の方がうっすらと光っている。奥へ進むとホコリ被った木箱の隙間から光が漏れだしていた。
「これって。」
私は木箱を開けると、そこには光輝く金平糖のようなものがジャム瓶に少量潜んでいた。
手にとって見ようと思い、私はジャム瓶のふたを緩めた。すると中の金平糖もどき達がすごい勢いで瓶から出ていき、みんな輝きながら天の川の方角へ飛び出していった。
私は目まぐるしさに唖然としながら空の天の川を仰いだ。
存外、おじいちゃんは嘘つきではないのかもしれない。
公開:22/07/07 19:41

リマウチ

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