選挙

今年も選挙の時期になったようだ。休日で寝ていたのに選挙カーの騒音で目が覚めてしまった。全く迷惑なものだ。私は仕方なくベッドから降りて台所へ向かった。テレビをつけて朝食の準備に取りかかる。テレビも選挙のことをとりあげていた。
「ほうほう。」
今回の候補者達の一覧が出る。今年は珍しく若い候補者が多く存在する様だ。
「当分駅前に彷徨かない方が良さそうだな。」
あまりお金がない若い候補者は連日駅前で演説をすることが多い。うるさいだけならいいが、あいつらは血眼で投票してくれと促してくる。しつこくされる度に気が滅入ってしまう。
「さて、今年は何人が生け贄になるのだろうな。」
この選挙の候補者として選ばれたものは、一定の投票数を取らないと生け贄として殺されてしまう。若者は死に物狂いで今日も投票をお願いをしていた。