石のにおい

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証拠もないまま警察に捕まった俺は留置所に拘束されている。
まったく…早く裁判始めて実刑を下せばいいものを何をちんたらしているんだか…
「おい、石を出せ!」
それにこれだ。何なんだこの石は?ずっと握っていろって言われて握っていたが、何の意味があるんだ?
「出ろ。今からお前の判定を始める」
俺が連れてこられた部屋にはオバサンがいた。
「お願いします」
看守の言葉におばさんは俺の持っていた石のニオイを嗅ぎ始める。気持ち悪ぃな…
「はい。分かりました。この方は犯人ではありません。真犯人を庇っています」
俺は激昂する。
「ふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ!俺が犯人だっつってんだろ!」
「このアロマストーンからは一切の犯罪臭がしませんでした。臭気判定士の私が保証します」
そういう事か…力の抜けた俺は愕然とする。
畜生…俺は親友を庇えなかった…
オバサンが俺の肩を叩く。
「息子を庇ってくれて、ありがとう」
公開:22/06/29 21:13

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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