二度と恋は竹刀

二度と恋はしない。俺は散々な失恋をした。一目惚れした女の子に思い切って告白した。すると……
「はぁ！？冗談でしょ？あんたなんかと付き合うなんて絶対無理よ」
物凄くきつい言葉を浴びせられ、フラれたのだ。
「くそがぁあああ」
俺はその悔しさを剣道にぶつけた。
「面！面！面！胴！胴！胴！うぉりゃああああーー！！やあああああ！！」
「隆二。気合入ってるじゃないか。この調子で大会、頑張れよ」
顧問の先生が言う。
「はい。俺は剣道一筋なんで！！」
そして試合になった。俺は練習の成果があって順調に勝ち進んでいった。決勝戦では激闘を繰り広げた。そして優勝した。俺の試合が終わった後、面を脱ぐ前に女の子が走ってきた。俺がこっぴどくフラれた女の子だ。
「あのっ……凄く恰好良かったです」
と言ってタオルを渡された。
面を脱ぐと、女の子は「げっ……」と言った。
俺は二度と恋は竹刀！！
俺の恋人は竹刀だけだ。