存在意義

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織物の勉強をし続けていた。しかし織ったところでなにになるのか。思いつく柄はきっと既に誰かが織っている。自分が機織りをする意義がわからなくなった。

畦道を歩くとおたまじゃくしが泳いでいた。ほとんど平面のようなおたまじゃくしに足が生え、3Dとなって蛙になる。
そうか、3Dだ。
急いで作業所に戻る。3Dプリンターを設置し、蛙を織り始めた。大人がすっぽりと入るような大きなものだ。色を変え、柄を変え、糸の太さを変え、ただただ蛙を織り続けた。

一月後、織った蛙をフリマに出品した。全く売れなかった。

蛙じゃないのか。なら、クワガタか?
念のため、織物の出品をチェックする。3Dのものは無い。オリジナリティはあるはずだ。クワガタに賭けよう。

全く売れなかった。

クワガタでも無いのか。
田んぼの中に真っ赤な太陽が沈んでいく。
そうだ、火の鳥だ。

フリマでは模倣品の手の平サイズが大人気となっていた。
その他
公開:22/06/30 21:58

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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