真夜中のつぼ畑

0
2

広大な敷地にずらりと壺が並ぶ。それを見てどれを頂こうかと俺は物色を始めた。
「なぁ…やっぱりやめようぜ。ここはヤバいって」
臆病者の茂を剛と一緒に嘲笑う。
「おい!これなんかどうだ?いい感じの壺だぞ」
茂を無視し、暗闇の中でも不気味な程に赤く見える壺に剛が手をかけた。
蓋を開けると『ぷ~ん』という耳障りな音と同時に剛の悲鳴が聞こえる。
明かりを向けると剛は蚊壺に襲われていた。代わる代わる血を吸われ、皮膚は腫れ上がるのにその身はどんどんやせ細っていく。
「助けて…」
俺と茂は剛を置いて逃げ出した。冗談じゃない!何だ今のは!
「だから言ったじゃないか…ぎゃぁっ!」
茂にライトを向ける。茂がウツボに食われていた。
その惨劇に俺はライトを捨て、走り去る。
そして出口付近で落とし穴に足を取られ、地下深くへと落ちて行った。
ドーム状のそこはまさに土で出来た壺。
ドツボにハマった俺は1カ月後に餓死した。
ホラー
公開:22/06/30 21:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容