山動かしのタニシ

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昔々、林業を営む村に孤児のタニシという男あり。
幼少期は体も小さく、力も弱い事から仕事中うっかり谷に落ちて死んでしまうのではと揶揄されつけられた名である。
タニシは体を鍛えた。丈夫な足腰に逞しい上半身。青年となる頃には男衆が10人掛で運ぶ木材も片手で軽々と持ち上げる。タニシが通れば山が消えるとまで噂される。
それを聞き、悪ふざけが好きな領主はタニシを呼びつけた。
「一夜にして屋敷の裏の竹林を表へと運べ。出来れば村の年貢は免除・貴様には褒美をくれてやろう。出来なければ打ち首だ」
タニシは領主の悪ふざけを飲んだ。竹林の地面に指を入れ、メリメリと山ごと持ち上げる。
タニシは一夜にして山を運んだ。領主を含む、多くの者がそれを見た。
だが領主はいちゃもんをつける。タニシを縛り、牢獄へと入れた。
翌朝、タニシは村に戻って来た。
その手には金剛石。領主をギュッと固めて作ったそれを褒美代わりに持ち帰った。
ファンタジー
公開:22/06/28 21:08
最後はブラックジョーク 人工ダイヤモンド

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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