天狗、職質を受ける

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「もう一度聞くけど君、本当にお酒飲んでいないよね?」
しつこいな…何度このやりとりをしたら気が済むんだろう?呼気検査だって5回はやった。

「だって君、その顔の赤さは異常だよ?飲んでいるようにしか見えないよ?」
この赤さは生まれつきです。天狗ですから。

「でもさぁ…この前見た天狗は黒かったよ。何で君赤いの?何でそんなに鼻が長いの?」
黒いのは烏天狗です。あとこの鼻ですけど、つけ鼻です。

「何でつけ鼻?何があったの?」
天狗の鼻が折られたからですよ!今も自信満々ならこんな仕事していないですよ!

「こんな仕事って…配達業だよね?何か事情でもあんの?」
この鼻、判子なんです。これ使うとお客さんが喜んでくれるんで始めたんです。

「マジで?見せて見せて!うわっ!本当に判子じゃん!」
こいつこそ酒飲んでんじゃねぇか?
鼻返せ!こっちはまだ配達中なんだよ!警察だからって天狗になってんじゃねぇぞ!
ファンタジー
公開:22/06/23 20:45

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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