キャンバス

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男は真っ白なキャンバスを前に何を書こうか考えている。何も浮かばない。何日もそうしているが筆が一向に動かない。男は極度のスランプだった。彼はここ数年、作品を1つも完成出来ずにいた。男はとうとう、そんな自分に嫌気がさして、筆をキャンバスに投げつける。キャンバスに絵の具がたっぷりついた。男は絶望して、その日の内に自殺した。

男の死後、その絵は「希望」という名がつけられて発表された。今、その絵は、世界的に有名な美術館に飾られている。
その他
公開:22/06/25 18:22

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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