僕の奥さん

今日は母さんに紹介したい人がいる。僕の奥さんだ。
今まで黙っていてごめん。心配かけてごめん。でももう大丈夫。もう僕の世話を焼かなくていい。
僕の奥さんに会いたい？いいとも。僕も母さんに奥さんを紹介したかったんだ。是非会ってよ。
どこにいるのって？僕の心の奥だよ。
母さん、可哀想なものを見る目は止めてくれない？
僕の奥さんは僕の心の奥にちゃんといるんだから。嘘だと思うならほら見てよ。僕の心の中だよ。覗いてみてよ。ほら、いたでしょ。
だから母さん。これからは母さんも僕の心の奥で生きて欲しいんだ。
僕にとって母さんは僕の奥さんと同じくらい大切な人だから。
それにほら、昔は奥さんって奥から出てこないから奥さんって言われるようになったんだって教えてくれたの母さんだよね。
だから母さん。これからは僕の心の奥で僕の奥さんのお世話をしてよ。ずっとずっとお世話をしてよ。二人とも、もう奥から出られないからね。