留学生ベンとの会話

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「私、家庭洗濯と家庭掃除苦手」
留学生のベンの日本語は拙いが、気づきがあり面白い。
「掃除洗濯が苦手なんだね。普通頭に家庭は付けないかな」
「何故。店でクゥの作るの料理。お母さん家で作る家庭料理言う」
コックだけネイティブ発音だ。「確かに料理はそうだね」
なるほど。
料理人という職業は太古からあって家事と明確に差別し
元来家事の掃除洗濯は比較的最近になってクリーニングや掃除代行と職業に昇格した。だから差異があるのかもしれない。
その考えを彼に伝えると理解を示してくれた。
「私思う。まだ家庭のつかない名前探す。それ新しい仕事になる」
ベンは目を輝かす。彼のこの柔軟な発想が好きだ。
何があるだろうと二人で考え込む。
沈黙が続く。

「あった!先生だ。今先生家庭付かない。仕事になるよ」ベンの悪戯な笑顔がモニタに映る。
「もうなってる。さあ授業始めるよ」
日本語家庭教師の私は今日もリモート授業だ。
その他
公開:22/06/20 11:40

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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