嬉しい贈り物

0
1

「はあ、全く売れないな」
 小説を出版している小玉ひさしはため息をついた。金はかかるのに、収入が入らない。
「また、貯金が尽きる」

 バイトはしているが、月4万。生活できるレベルではない。

「何とかしないと」
 そんなとき、ある客人が来た。
「あの、この花を受け取ってください。必ず、あなたの助けになるはずです」
「ありがたくちょうだいします」

 その時はその花が自分にとって嬉しいことを持ってくるとは思わなかった。

 しばらくして、花を持って出版社に向かう途中、女性に声をかけられる。
「あの、その花私にくれませんか?」
「良いですが」
「あなたはもしかして、この本の作者では?」
「そうです」
「このお礼は近いうちに必ず」
 女性は花を受け取って行ってしまった。それからしばらくして、本の売上が上がり生活が楽になった。

「あの女性のおかげかな」
その他
公開:22/06/20 09:31

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容