インフレーション
1
2
双子の大島くんは、たまに入れ替わる遊びをしていて、気付いてるのは私だけだ。片方と同級生なだけで、親しくもないから黙ってる。誰かに構って欲しそうけど、無視。そもそも双子というだけで取り柄もないのにツッコミ待ちなのがふざけてる。
最初は休み時間だけだったのが授業中、一日単位、とうとう瞬きごとに入れ替わるようになった。数秒単位で骨格が歪んで気持ち悪い。まだ黙ってた。やり過ぎてるせいでますます気付かれないのが、面白くなりつつあるし。
そしたらある日、知らない顔の大島くんが現れた。びっくりした。三つ子? そんなはずない。でも絶対別人だ。分からない。
ついに降参して本人に尋ねた。意外な同級生に変な質問された彼もびっくりして、目を瞬かせた。その瞬きの一回ごとに大島くんは目まぐるしく別人になって、瞳から溢れてぽろぽろこぼれ落ち、結局私はあの時以来、大島くんが、全然分からなくなってしまったのです。
最初は休み時間だけだったのが授業中、一日単位、とうとう瞬きごとに入れ替わるようになった。数秒単位で骨格が歪んで気持ち悪い。まだ黙ってた。やり過ぎてるせいでますます気付かれないのが、面白くなりつつあるし。
そしたらある日、知らない顔の大島くんが現れた。びっくりした。三つ子? そんなはずない。でも絶対別人だ。分からない。
ついに降参して本人に尋ねた。意外な同級生に変な質問された彼もびっくりして、目を瞬かせた。その瞬きの一回ごとに大島くんは目まぐるしく別人になって、瞳から溢れてぽろぽろこぼれ落ち、結局私はあの時以来、大島くんが、全然分からなくなってしまったのです。
その他
公開:22/06/21 21:31
ログインするとコメントを投稿できます