0
2

「もう、あなたを支えられない。だから、私を捨てていいよ」
彼女は突然、私にそんな事を言った。
「ちょっと待てよ。何でそんな事を言うんだ。君を困らせる事をしていたのなら謝る。考え直してくれないか。この通りだ。僕には君が必要なんだ」
「もう手遅れだから。私はあなたに何度もSOS信号を出していたよ。でも、あなたは聞こえない振りをした。分かっているの。私は時代遅れな女だって」
「そんな事はない。僕は宝飾で身を飾り付けた娘よりも素朴な君が好きなんだ」
「それならなぜダイエットをしてくれなかったの。私の事を大切に思っているのでしょ」
「そ、それはストレスが溜まって」
「あなたはいつだってそう、私の事を都合のいい女だとでも思っていたのでしょうね。乱暴に扱っても文句を言わない従順な道具。そうよね。替えはいくらでも聞くものね」
「考え直してくれ。君がいないと仕事に集中できないんだ」
「汚い手で触らないで」
公開:22/06/21 10:39

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容