アイツ

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人は誰だって孤独な闇を抱えている。私も例外ではない。私の闇は、父親を目の前で殺された事だ。強盗殺人だった。今でもあの時の夢を見る。犯人の顔は、はっきりと覚えている。もしアイツを見かけたら私は、この手を汚す事になったとしてもアイツを……。
大学生になった私は、バイトをする為に居酒屋の面接を受けた。面接で店長の顔を見た瞬間、私の心には、あの時の復讐心が蘇った。
アイツだ――。
ようやく出会えた。居酒屋で働くようになり、私はアイツに気に入られるように働いた。そして二人っきりになったタイミングで問い詰めると、アイツは犯行を認めなかった。まだシラを切るつもりか。往生際が悪い。
私は冷静さを失ってアイツに襲い掛かった。そしてアイツを……。
その翌日、私は父の墓参りに行った。父の墓の前で知らない男が立っていた。アイツだった。
まさか店長は、本当にやっていなかったのか。私は人違いで人を殺めてしまった。
公開:22/06/19 09:49

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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