郵便配達人

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いつもほぼ決まった時間に赤いバイクの郵便配達人が来る。我が家の一軒奥で道は行き止まりになるから、単車を停めたまま両サイドの五軒に郵便物を配っていく。何軒分かの郵便物を片手に持ち、手際よく宛名先のポストに入れる。
その日に手紙が無い家は、当然素通りとなるが、不思議なのはこの周辺の住所は何丁目何番地何号まで皆同じだ。
元々はこの辺りは江戸時代から一人の地主らしい。その子孫が分割販売したが、昔の居住が基本となり何軒も同じ住所になったと言うが行政も適当だ。
配達は3分位で終わりバイクは、音を立てて次の町へUターンして消えて行った。

暫くして別の赤いバイクが来たが、この配達は書留や速達等の重要郵便専門で必ず手渡していく。
ところが今回は、我々5軒全部にピンポーンを鳴らし各軒へ書留を手渡して来た。
差出人を見ると何と江戸町奉行からであり、5人組は揃って出頭せよとの呼出状だった。タイムワープしたのか?
SF
公開:22/06/15 16:52

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