変わっているね

自己紹介の時に「幽霊が見える」と口走った。
嘘である。しかし私のような無個性な人間はこうでも言わないと”転校生”という物珍しさがなくなってしまえば、ぼっちになってしまう。
どうせ２か月後にはまた転校するんだ。なら、変な事を口走ってもいいだろう。
私の紹介に皆きょとんとしている。これは初日からぼっち確定だ…

案の定、休み時間になっても誰も私の所にやってこない。
マズったなぁ…内心焦っているとクラス委員長が声をかけてきた。
「ちょっと君、何で皆が話しかけているのに無視するの？」
何を言っているんだ？
「君、幽霊が見えるんでしょ？何で幽霊の皆を無視するの？」
ちょっと待って。幽霊が…私にずっと話しかけてる？
「さっきからそう言ってるじゃない」
怖くなった私は本当は幽霊なんて見えないと告白した。
「幽霊が見えないのに見えるなんて言ったの？…変わっているわね。ウチのクラスで見えなてないの君だけよ」