「まーじゃん」

1
2

「では始めましょうか」
癖になるような音がたまらない。
そして自分の将来もかかっているのから興奮せざるを得ない。
目の前から鳴き声が響いた。
「ちゅん」
雀だった。
なんだ、鳴き声かと思ったら「中」を切ったのか。
左側のスタイルの良いイケメンに負けるわけにはいかない。
右にいる真っ黒なやつには負けるはずがない。
終盤に差し掛かったが、暗雲が立ち込めてきた。
現在、3位。
このままでは負けてしまう。
必死に争ったが、結果は変わらなかった。
結局、雀が1着を勝ち取り、私は4着だった。
雀が名前を勝ち取ったのだ。
「麻雀」
自分たちの名前が広がることは繁栄につながる。
その後の話だが、鷲はゴルフという競技でその名を広めた。
あの真っ黒い烏も、スタイリッシュな姿を生かしてしぶとく生きているらしい。
そうだ、勝負で勝てないのなら、勝負しなければいい。
争いのない世界を目指し、その象徴となるのだ。
ファンタジー
公開:22/06/11 23:43

空飛びペンギン( 関東 )

ご覧いただきありがとうございます。

俳優業の傍ら、趣味でショートショートを製作しています。
田丸先生の書籍を読んでから、楽しく作っております。
ご意見、ご感想いただけると嬉しいです。


名作文学の朗読Youtubeを行っています。
http://www.youtube.com/@akky_roudoku

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