ボディシェア

20××年、日本でボディシェアというサービスが始まった。
自分以外の身体に自分の意識を宿し、まるで他人になったかのようになれるという。
例えるなら、ゲーム機にソフトを入れ替えているようなものだ。
レンタルに出されているものは、人種、スタイル、
様々だったが、やはり人気なのは、背が高く、イケメンだった。
そこそこのお金がかかるが、他人になっている間、自分の身体をレンタルに出すと割引になるそうだ。
家電の下取りみたいだ。
私は迷わずこのサービスを利用した。自分の冴えない人生を変えるためだ。
一ヶ月ごとに身体をレンタルしてった挙句、理想を探し当てた！
「よっしゃ！これでわしの人生は安泰や！」
それから私は癖の理想の身体と引き換えに癖の強い方言を使うことになった。
この身体のもとの人間の癖が強かったらしく、方言が肉体に染み付いていたのだ。
たった１週間でホームシック、いや、ボディシックになった。