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「クワッ、クワッ」
カエルの合唱が聞こえる。子どもの頃に住んでいた家の周りは田んぼだらけだった。梅雨の時期になると様々な種類のカエルが大合唱を始める。
目の前には赤い傘をさした女の子が学校に向かって歩いている。赤い傘と赤いランドセルとの間でポニーテールに結った髪が左右に揺れている。その子とは通学班が一緒で学年も一緒だが今年からクラスは変わってしまった。畦道に差し掛かったとき、突然カエルが田んぼに飛び込んだ。
「きゃっ」
その子が振り向き、僕と目が合った。
「びっくりしたー」
驚いた顔を僕に見られたのが恥ずかしかったのか、頬を赤らめ照れ笑いを浮かべていた。再び顔を前に向け、学校に向かって歩き出した。僕はドキドキしていた。
翌日も雨だった。目の前の赤い傘の下でポニーテールが揺れている。畦道に差し掛かると、僕はときどきドンと踏みしめて歩くようになっていた。
カエルの合唱が聞こえる。子どもの頃に住んでいた家の周りは田んぼだらけだった。梅雨の時期になると様々な種類のカエルが大合唱を始める。
目の前には赤い傘をさした女の子が学校に向かって歩いている。赤い傘と赤いランドセルとの間でポニーテールに結った髪が左右に揺れている。その子とは通学班が一緒で学年も一緒だが今年からクラスは変わってしまった。畦道に差し掛かったとき、突然カエルが田んぼに飛び込んだ。
「きゃっ」
その子が振り向き、僕と目が合った。
「びっくりしたー」
驚いた顔を僕に見られたのが恥ずかしかったのか、頬を赤らめ照れ笑いを浮かべていた。再び顔を前に向け、学校に向かって歩き出した。僕はドキドキしていた。
翌日も雨だった。目の前の赤い傘の下でポニーテールが揺れている。畦道に差し掛かると、僕はときどきドンと踏みしめて歩くようになっていた。
その他
公開:22/06/08 22:24
面白そうなので参加してみました。
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