タブレット兄ちゃん

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いつも公園のベンチに座り、タブレットをいじる知らないお兄ちゃんがいる。一体、あの人は何をしているのか。よく分からないが、いつ何時に行ってもいるので、僕らは待ち合わせ場所の目印として利用させてもらっている。

「たかし、今日学校終わったら遊ぼうぜ」
「じゃあ1時にタブレット兄ちゃんのベンチのとこで」
「オッケー」

こう言えば伝わる。
その日、小学校の授業は半日で終わるから遊ぶ時間がたっぷりある。僕は嬉しくなりながら家に帰り、昼ごはんを食べて待ち合わせ場所である公園に向かった。しかし1時になっても友達は来ない。タブレット兄ちゃんは、相変わらずタブレットをいじっている。
僕は興味本位で、タブレット兄ちゃんに初めて話しかけた。

「こんにちは。いつも何やってるんですか?」
「どのルートが子供を誘拐しやすいかと思って調べてるんだよ」

そう言ってタブレット兄ちゃんは、ニヤリとして僕の口をふさいだ。
公開:22/06/05 10:56

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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