血痕式殺人事件

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事件の現場は、都内にある結婚式の会場だ。教会の礼拝堂で式典の準備をしていた神父が殺され、現場には辺り一面、無数の血痕が残っていた。
当初、日中の犯行で手がかりも多かったので、犯人はすぐ捕まえられると思っていたが、刑事が調べれば調べるほど奇妙な事実が発覚した。
まず怪しい人物の目撃情報がまったくない、殺された神父が人に恨まれるようなことは何もしていない、そして無数の血痕がさまざまな血液型を示して特定できないことだ。
警視庁は、この事件を結婚式と血痕を掛け合わせ「血痕式殺人事件」と名付けて対策本部を設置した。
ところが、その後の懸命な捜査も実らず、十数年の歳月を経て事件は迷宮入りした。
そして時効を迎えた日。
警視庁には秘密の部屋がある。その中には「刑事板」と呼ばれる石の掲示板が置かれており、今回の事件も歴代の未解決事件の名の横に深く刻み込まれる。
いつまでも事件を風化させないためにーー。
ミステリー・推理
公開:22/06/04 07:01
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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