ナノプラント

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休日。庭先を見ると猫の額ほどの広さしかない土地にも関わらず、小さなビニールハウスが連立していた。
「ミニハウスよ。中でナノトマト育てているの」
ミニハウス?ナノトマト?首を傾げる僕に妻は赤い小さな粒を差し出してきた。これは…イクラ?
「今朝、ハウスで採れたナノトマトよ。食べてみて」
口にすると食感もイクラみたいだ。でも味はトマトなので癖になる。
「美味しいでしょ?」
頷く僕に喜ぶ妻。
でもビニールハウスって大変じゃない?君も働いているのに管理する時間あるの?
「大丈夫。ミニハウスの管理は彼らに任せているから」
妻の指差す先を見ると小人達が働いていた。
「マイクロヒューマンよ。貴方の遺伝子から作ったの。とっても働き者よ」
素直に喜べないなぁ…てか、僕ばっかりだね。君もどこかにいるの?
「いるわよ。そっちの人材畑を見て。私のマイクロヒューマンは貴方のマイクロヒューマンを収穫して働かせているわ」
SF
公開:22/06/06 20:28

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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