バラと万年筆

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全身に刺すような痛みを感じ病院へと行くと「万年悲痛です」と診断された。何それ?
万年悲痛とは華やかで憧れを持たれる人の多くが罹る病気のようだ。
私は人気ライトノベル作家。多くの若者が私に憧れているだろう。
ただその実態は憧れとは程遠い。作品を書いてはリテイクの連続…自分でも何を書いているのか分からなくなり、自棄になりながら書いた物が高評価。
そのショックに暴飲暴食不摂生。美しい花型職業とは言えない…理想と現実がバラバラだ…
私の告白に医師も「分かります」と頷いた。
「医者という仕事は毎日忙しく苦労も多い…この仕事も万年悲痛と苦痛を感じるんです」
医師の言葉に体の痛みが和らいだ。
「万年悲痛は同じ悩みを抱える者同士が辛さを共有する事で痛みが和らぎます。お互い、棘のある花型職業を乗り越えていきましょう」
医師が私に万年筆を渡してきた。
「万年悲痛仲間の印です。これを見たら悲痛を共有しましょう」
公開:22/06/05 20:44

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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