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伸びてきた。何がって?髭だよ。
髭を剃るのは面倒だ。永久脱毛も考え事もあるが、レーザーを当てるなんて抵抗があるし断念した。

毛深い俺にとって髭の存在は、実に鬱陶しい物だ。この髭を無くすことができるなら、俺の人生はバラ色になるに違いない。

髭……。
何と憎い奴なんだ。

髭は本来、身体を守るためにあると言われている。しかし実際どうだ?
髭なんかで体が守られるわけないし、普通に怪我はする。髭がもっと硬くて防御面にでも優れているのならば、俺は鉄壁の防御力を持った戦士になってなれたはずだ。

ある時だった。テレビに出ていた絶世の美女。百年に一人の奇跡と呼ばれた女優がいた。ぶっちゃけタイプだ。

「好きな男性のタイプは?」

俺はテレビに釘付けになる。どうせ金持ちとかイケメンって答えるんだろ?

「私、髭の濃い人好きなんです。男らしくて」

髭……。
俺はお前を愛している。
公開:22/06/01 10:21

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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