バラと万年筆

0
2

爪先にチョンとインクを付け、手紙をしたためる。
書き終わると封筒に糊付けし、その上に自らの肉球で判を押す。
意外と知られていないが猫は手紙を書く生き物である。その爪は天然の万年筆。生きている限りはずっと使える一生ものの筆だ。
猫が肉球を舐めるのは筆である爪の手入れをしているからだ。爪先が荒れてきたら古い爪を剥がして新しい爪に取り換える。猫は器用な生き物だ。
そんな凄い事実、何で皆知らないのかって?能ある鷹は爪を隠す。能ある猫も爪を隠す。そういう事さ。
それに猫は昔、象牙と同じようにその爪をハンターに狙われていた時代があったんだ。その時、猫は自らの爪を隠せるように進化したのさ。
進化と言えばもう一つ。綺麗なバラには棘がある。可愛い猫にも棘がある。猫は無遠慮に触ってしまえば噛みつかれてしまう。
猫は高貴な生き物なんだ。万年筆と同じさ。丁重に扱わなければ、どんなにいい猫だって宝の持ち腐れとなる。
公開:22/05/31 20:14

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容