バラと万年筆

0
2

上司の無茶な注文に従い、夜遅くまで仕事をする。帰る頃には日付が変わっているな…一旦休憩しよう。
鍵である万年筆を手に社食へと向かう。当然電気はついておらず、真っ暗なそこには”menu”と書かれた白紙が置かれてある。それに万年筆で食べたいものを書き込む。
コトン、と音がしたかと思う書いた物が用意されていた。それを食べるとまた仕事へと戻る。
ウチの会社には山猫軒と呼ばれるものが存在している。上司なり同僚なりの注文をいくつも聞いているとそこを利用できるのだ。
これ目当てで注文を受ける社員すらいる。今の私みたいにね。
山猫軒は西洋料理以外も作ってくれる。和食に中華、望めば宇宙食や満漢全席だって出てくる。
ジャンルがバラバラの料理を頼んでもいいし、おふくろの味を注文してもいい。
だがmenuに人の名前だけは書いてはいけない。
ぴちゃり、と音がしたと思うとバラバラ料理されたその人物が出されるのだから。
ホラー
公開:22/06/03 20:48

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容