バラと万年筆

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魔法は何でも出来るがそれ相応のリスクが生じる。それを理解していながら私は道を踏み外してしまった…
始まりは他愛もない暇潰し。
蛙へと姿を変えてやった商人が持っていた万年筆と商人仲間のリストを見て、私は商人の娘ですと嘘を吐き文通相手を求めている風な手紙を商人仲間へと送った。
小娘の遊びに付き合ってられんと多くの者が断ったが一人、文通してくれる男がいた。
私は気が付けば男の手紙が楽しみになっていた。
『貴方に逢いたい』
そう言われ年甲斐もなく心が弾む。
私は自らに魔法をかけると美しい娘へと姿を変えた。
この魔法がかかっている間、絶対に相手を傷つけてはならない。破れば罰を受けてしまう。
それなのに私は彼からのプロポーズを断り、彼を傷つけてしまった…
その瞬間、私は美しいが棘のあるバラへと姿を変えられた。誰にも触れられぬ物言わぬ花になってしまった…
彼はそんな私を見るや手を伸ばす事なく立ち去った。
ファンタジー
公開:22/06/02 20:26

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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