バラと万年筆

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友人の部屋に行くと手足の生えた大根のような謎生物に出迎えられた。
「凄いでしょ?これ、品種改良されたアデニウムなんだ」
アデニウムは確か砂漠の薔薇と呼ばれる多肉植物だった筈…言われてみればそう見えない事もない…
「花言葉は一目惚れ。つい、一目惚れして買っちゃった」
園芸店で?ペットショップで?どっちで購入したのか知りたい。
『初めまして。私の事はアデニーと呼んで下さい』と書かれた紙を差し出してきたアデニウムに驚いた。今日1日で何度驚くのだろう?
「ほら、動植物は喋れないでしょ。だから筆談なの」
いや、そもそも動植物は字も書けないから…そもそもこれは動物なの?植物なの?
てか、そっかぁ…何で万年筆を小脇に抱えているのか不思議だったけど筆談する為だったのか…
「それだけじゃないよ。ペンは剣よりも強しって言って、私を悪漢から守ってくれるの」
確かにバラの棘より万年筆のペン先の方がずっと痛そうだ。
公開:22/05/30 20:36

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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