バラと万年筆

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学校から帰って来ると縁側にバラの描かれた浴衣が置かれてあった。きっと祖母が虫干ししているのだろう。手入れがされているだけあって凄く綺麗だ。今度の夏祭り、これを着て行けたらなぁ…
「いいわよ」
えっ?本当に?
「ええ。着る人がいてこその浴衣なんだから。それを着て告白したら相手はイチコロよ」
もう!そんなんじゃないって!
でもそうなるといいな…
「それじゃ、綺麗にしておかないとね」
祖母はそう言うと糸切狭を浴衣に入れ、パチンパチンと切っていく。何やってるの!
「バラの棘を切っているのよ。丁度、肩の所に棘があるじゃない。このままだと肩を抱いてキスしてもらえないわよ。あと、お尻の棘は痴漢対策に残しておくからね」
床を見るとバラの棘らしきものが転がっていた。
「それ、万年筆のペン先にするから集めておいてくれる。友達に”ひ孫の顔がもうすぐ見れるかも”って手紙書きたいから」
お婆ちゃん…気が早過ぎるよ。
青春
公開:22/05/30 20:32

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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