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家事が壊滅的に下手な私は夫に連れられ家冶師のもとを訪れた。
「鍛え直す前に奥様をとかしますけど構いませんか?」
とかす、という言葉に怯える私。気にせず二つ返事でOKする夫。
私は広い教室へと連れて来られた。そこで同じように不安な表情を浮かべる女性達と出会った。
「これより講義を始めます。家事には知識も必要です。しっかり学んで問題点を一つ一つ、汚れのように解かし、家事を鍛えましょう」
とかす、ってそっちの意味だったのね。
ホッとするも気は抜いてられない。私は家事を改めて学ぶんだ。熱い鉄の如き信念が私を真剣にさせた。
家冶師の修業は己を見つめ直すいい機会となった。

修業を終え、家に帰るとゴミだらけのリビングで夫が昼寝していた。
「それじゃ修行の成果を見せてもらおうか。掃除と飯の支度よろしく~」
スマホをいじりながら言う夫に私は離婚届を突き付ける。
私は真剣だ。こんな男、ばっさり切り捨てよう。
公開:22/05/29 20:35

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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