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久しぶりに会った友人に自身の近況報告をすると、友人は小馬鹿にしたように言った。
「お前は本当に鳴かず飛ばずだよなぁ」
僕はこれから始まるであろう彼の武勇伝を予期して皮肉交じりに笑った。
友人は大学を卒業した後大手企業に就職し、今じゃ重要ポストに付いているエリートだ。彼は昔から血気盛んで、必ず成り上がってみせると常々言っていた。
対する僕の方は高卒のしがないフリーターである。
「俺は絶えず鳴いて自分の力を示し、常に飛ぼうと上昇志向なんだ。お前も少しは見習え」
「別に今は鳴いて飛ばなくてもいいかなぁ」
僕の答えに友人は呆れていた。
そして数年後、彼は驚きを隠せないまま僕を呼び出した。手には僕が書いた小説が握られている。
「まさかお前が○○賞作家なんて。本を書いてたのも知らなかったぞ?」
その問いに僕は答える。
「君はまず僕の本を持つ前に辞書を持つといいよ。そして鳴かず飛ばずを調べてごらん?」
「お前は本当に鳴かず飛ばずだよなぁ」
僕はこれから始まるであろう彼の武勇伝を予期して皮肉交じりに笑った。
友人は大学を卒業した後大手企業に就職し、今じゃ重要ポストに付いているエリートだ。彼は昔から血気盛んで、必ず成り上がってみせると常々言っていた。
対する僕の方は高卒のしがないフリーターである。
「俺は絶えず鳴いて自分の力を示し、常に飛ぼうと上昇志向なんだ。お前も少しは見習え」
「別に今は鳴いて飛ばなくてもいいかなぁ」
僕の答えに友人は呆れていた。
そして数年後、彼は驚きを隠せないまま僕を呼び出した。手には僕が書いた小説が握られている。
「まさかお前が○○賞作家なんて。本を書いてたのも知らなかったぞ?」
その問いに僕は答える。
「君はまず僕の本を持つ前に辞書を持つといいよ。そして鳴かず飛ばずを調べてごらん?」
公開:22/05/31 06:27
更新:22/05/31 12:56
更新:22/05/31 12:56
初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
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